インターネットが普及したことや国際化が進んだことで、海外で働きたいなと考える人は増えてきたのではないでしょうか。
どこの国がいいかなと調べる中で「ヨーロッパならドイツがよさそうだぞ」とリサーチをする人も多いはずです。ドイツはヨーロッパの中では経済が比較的安定していますし、日本人は住みやすい国といえます。
しかし日本人がドイツで働くときにはいろいろと気を付けなくてはいけないことがあります。この記事では、ドイツで働きたいと思っている日本人が気を付けるべきことをまとめました!
労働許可って何?
ドイツで外国人が働くには労働許可が必要です。読んで字のごとく、働く許可です。労働許可はドイツ国籍ではなく、なおかつ欧州自由貿易連合(ETFA)の国出身ではない人たちがドイツで労働したいときに必要になります。
現在は滞在許可証に労働許可の有無が書いてますが、語学学生や大学生など、その人の立場によって「一部の労働は許可する」などと条件がつくことがあります。
フルタイムで働きたいという人は、労働局が発行する労働許可が必要です。個人でこの手続きをするのは6週間から8週間かかるとされており、「働きたいなー!申請しよう!」などと簡単に許可は下りません。
ドイツにはブラック企業は無い?
ドイツは社会保障がしっかりしていますし、国民の権利を主張することが当たり前とされていますが、残念ながらブラック企業はあります。
外国人を安い賃金で働かせて、何か文句や不満を言われたら「働きたい人は他にたくさんいる」という非人道的なことを言い、クビにするということも。
ドイツでも飲食店には注意が必要
ドイツで手っ取り早く仕事を始められるのが飲食店ですが、飲食店はグレーゾーンなやり方をする店も多いです。それは経営者がドイツ人でも日本人でも関係ありません。
日本人が経営しているからといって安心ではない
ドイツには日本人が経営している日本食レストランがたくさんありますが、「日本人が経営してるなら安心だ」なんてことはありません。日本にあるブラック企業の社長だって日本人ですよね。
残念ながら飲食業界にはまだまだ違法な労働契約を結ぶ会社がたくさんあります。とくに日本語で検索できるサイトで常に募集がかかっている会社などは要注意です。
ドイツの最低賃金は?
2021年2月現在のドイツの最低賃金は1時間9.50ユーロで、今年の7月に9.60ユーロに上がり、2022年1月には9.82ユーロに、7月には10.45ユーロに上がる予定です。
これは社会保険や税金などが引かれる前の金額(Brutto)です。引かれた後(Netto)は大体79%残るといわれています。
最低賃金で週40時間フルタイム働いたと仮定すると、単純に計算してもBruttoは1500ユーロ以上になります。(9.50×40×4=1520)これの約79%が残るので、大体Nettoでも1200ユーロが最低賃金です。
労働契約をするときに気を付けたいポイント
脅すようなことばかり書きましたが、しっかりとポイントを理解すればドイツの労働契約だって怖くはありません。次は労働契約をするときに必ず注意したほうがいいポイントを解説します。
労働時間が明確に記載されていること
労働契約を結ぶときは、労働時間が明確に記載されているかどうかがポイントになります。
ドイツではミニジョブやフルタイムなどの労働形態に関係なく、契約書には労働時間の明記が義務になりました。この契約書を証明書として2年間保管することが義務づけられています。
Der Arbeitgeber ist verpflichtet, die über die werktägliche Arbeitszeit des § 3 Satz 1 hinausgehende Arbeitszeit der Arbeitnehmer aufzuzeichnen und ein Verzeichnis der Arbeitnehmer zu führen, die in eine Verlängerung der Arbeitszeit gemäß § 7 Abs. 7 eingewilligt haben. Die Nachweise sind mindestens zwei Jahre aufzubewahren.
https://www.gesetze-im-internet.de/arbzg/BJNR117100994.html
賃金交渉はNettoではなくBruttoですること
ドイツの企業やドイツにある日本企業に就職すれば当たり前にBruttoの賃金で話をされますが、飲食業界では「Nettoでいくら」と言われることがあります。
これは雇用者が税金を少しでも安くしようとしているからであり、労働者にとってはマイナスです。
たとえばNetto1800ユーロの給料を払うと言われたら、Bruttoは2700ユーロ程度必要ですが、給料明細には最低賃金分だけ書いて、残りの金額は手渡しするなんてやり方をする店も。
同じNettoでもBruttoが正しく計算されているのといないのでは将来雲泥の差なので要注意です。
契約書を必ず確認すること
当たり前ですが契約書は必ず確認しましょう。ドイツ語がわからないだろうと適当なことを書かれている可能性もあります。
日本人がオーナーの店ならば日本語の契約書がほしいと交渉してみるのもいいでしょう。
うまい話に乗せられないこと
うまい話に乗せられないことも重要です。「簡単に1500ユーロ稼げます!」なんて謳い文句は疑ってかかってください。
「ドイツ屈指の高い給料水準」などと募集をかける会社もありますが、日本でもドイツでも上手い話には100%裏があります。問い合わせるときは必ず疑ってかかりましょう。
ドイツで就労するときは契約書に気を付けよう!
ドイツで仕事をするには、語学力が必要です。外国人労働者が搾取される大きな理由は、言葉がわからないだろうと思われることが原因です。
母国語のようにペラペラ話すことはできなくても、読んでわかるレベルの語学力はほしいところ。対等に話せるだけの語学力があれば、それだけでも強い武器になり、疑問に思ったことはどんどん突っ込んで聞くことができます。
ドイツは日本よりも残業が少ないですし、休暇もしっかり取ることができます。ドイツ企業や大手の日本企業に就職することができれば、日本で働いてるときよりストレスフリーに感じる人もいるでしょう。
しかしなかには海外で働いてみたいという人の気持ちを利用し、都合よく働かせる会社もあるので、労働契約を交わす際は契約書を必ず確認してくださいね!
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