こんにちはー!ぼらです!(boralog_0310)
仕事シリーズ第2弾♪
私は北ドイツで大学に通っていたころ、何か新しいことをやってみたくて探していたところドイツ赤十字が学生を対象に募集をかけていて、外国人は無理かな…と思ったのですが応募したら見事合格!そのときの経験をシェアします♪
ドイツ赤十字の仕事はどこで見つけた?対象は?
2015年の話なので記憶が曖昧なのですが、たしかBundesaentur für Arbeitのページで見つけたと思います。大学生を対象にした募集で私の他にも8人くらい集まってました。
大体こんな流れだったと思います。数日体験のときはとくに仕事をするのではなく、アルツハイマーの人に抵抗がないかどうかを実体験として感じてもらうことが目的だったのかなと思います。
私は全く問題がなかったのでYES!仕事をする運びになりました。
仕事内容は?
新しくアルツハイマーの老人を対象としたシェアハウスがスタートするということで、夜勤の募集でした。介護の仕事とはいってもお風呂のお手伝いをしたり、食事のお手伝いをするわけではないので、特別な介護の知識は必要ありませんでした。
住居者さんたちのモニタリング
2時間か3時間に1回住居者さんの部屋に入って、寝ているかどうか確認する。
住居者さんたちのモニタリング
原則21時以降は外に出ない決まりになっていたので、「家に帰りたい」「外に行きたい」と言われても行かせられないので説得する。
入口のドアは中から開けると大きなブザーがなるようになっていたので、ドアが開いたら必ず気づく。
共有スペース、廊下、キッチンの掃除
リビング・廊下・キッチンをほうきで掃いてから雑巾で水拭きし、汚れがあるところはキレイにすること。
ドイツ赤十字の時給は?
1回の夜勤が10時間で90ユーロか100ユーロくらい。(はっきりした金額は忘れました。)
そのため学生は450ユーロ以下にしなくてはいけないので、1人マックス月4回のみの仕事でした。
この仕事で楽しかったこと
今までと全然違う分野の仕事をするワクワク感
それまではドイツの日本食レストランで働いていたので飲食業のことしか知りませんでしたが、介護の分野を経験できるということでとてもワクワクしました。
老人ホームで2日間体験をしたときも、「あ、私には合ってるな~」と感覚的に感じており、実際に仕事を始めたあとも毎回新しい経験をすることができてワクワクでした。
100%ドイツ語の環境で働くことの緊張感
ドイツのレストランで働いていたといっても、日本食なのでキッチンに日本人がいるわけです。話そうと思えばいつでも日本語で話せる状態から、100%ドイツ語の環境で働くというのは私にとって非常に大きい経験でした。
介護は人の生活に関わること、場合によっては警察を呼ばなくてはいけないことなど、考えるだけで緊張して心臓バクバクでしたが、「それにチャレンジできる自分」を誇らしく思いました。
おじいちゃんおばあちゃんとお話できる
この仕事の一番楽しかったことは、おじいちゃんおばあちゃんとお話できたことです。
私は自分がおばあちゃんっ子だったということもあり、おじいちゃんおばあちゃんが大好きなんですよね。
お年寄りが自分の昔話を聞かせてくれるのがすごくすごく楽しみでした。
住居者さんの心に寄り添い想いを馳せる
介護の知識はゼロの私でしたが、直感的に感じるものがありました。
それはアルツハイマーの人は自分が輝いていた時代の記憶をよく話すなぁということです。
一番最初に入居したおばあさんは、自分が働いていたときのことを会うたびに話してくれました。きっとそのときの自分が誇らしくて楽しくて、幸せな記憶なのかななんて勝手に思いながらいつも聞いてました。
アルツハイマーなので1時間後には話したことも覚えていないこともありますが、それでも何度も話してくれて心がぽかぽか温かくなったことを覚えています。
ドイツ語を間違えても忘れてくれること
これはですね、なんというかラッキーといいますか…。
基本的に夜勤のときは一人なわけです。そして住居者さんはアルツハイマー。
たとえ私が文法と間違って話したとしてもすぐに忘れてくれるわけです。そう思うと少し気持ちが楽になり積極的に話せました。
仕事の説明を受けたとき担当者の人が「大丈夫、彼らは優しいし間違えてもすぐに忘れるよ」とリラックスさせてくれたことも記憶にあります。
この仕事で大変だったこと
話しのどれが本当のことか分からない
これは良くも悪くも、住居者さんはみなさんアルツハイマーなので、本当のことがどれだか分からないこともありました。「私の家はここから2駅の場所なの。娘を呼んでくれる?」と言われたとき、その方の娘さんの住所を見るとどうみても2駅以上の場所。
また現在と過去の話がごっちゃになることもあり、聞いていてもはてなマーク全開のことも多かったです。(私のドイツ語力のせいも大いにあります)
帰りたいと言われたとき気持ちを落ち着かせることが難しかった
一番最初に入居したおばあさんはよく夜中に起きると「明日は娘と出かける約束があるの」「家で娘が待ってるから帰らなくちゃ」と家に帰りたいと言われることがありました。
原則何か重大なこと(ケガや病気)などがない限り夜は家族に連絡しない決まりになっていたので、「今日は私がそばにいますよ」「明日の朝娘さんが来てくれますからね」と何度も何度も伝えても、帰りたいと言われたときは切なくて苦しかったです。
基本的にみなさんとても穏やかで優しい人でしたが、人間ですからなぜか機嫌が悪いという日もあるわけです。そんなときに帰りたいと言われようもんなら、「どどどうしよう」(心臓バクバク)状態。
一度おばあさんに「どきなさい」と肩をドンとされたときは「ひょえー!!」って感じでした。
もし住居者さんが外に出てしまったら警察を呼んで保護してもらわなくてはいけなかった
これはちょっと記憶が曖昧なのですが、住居者さんが仮に勝手に外に行ってしまった場合、私たちが無理やり連れ戻すことはできないので、警察に連絡をして保護してもらわなくてはいけないという説明を受けました。
しかしどこのルールでそうだったかが定かではありません。
一人60代位の喫煙するアルツハイマーの女性がいました。彼女は15分に1回タバコをくれとねだってきて、何度断っても何度も何度も言う人でした。
デイサービスの人も手を焼いている感じの人だったのですが、ある日出勤するといつもはいないボスがいるわけです。
もし彼女がアグレッシブになって手が付けられなくなったら、すぐに警察を呼ぶこと!
と言われたときには、
警察?!電話できるかな!?
と何も起こってないのい既に頭はパニック。
「彼女はアグレッシブになって勢いで外に行く可能性がある」と言われた時にはもう心臓バクバクでボスの言葉が聞こえないくらいでした。
しかし結局その夜は彼女は私がいる間は起きてこずに、すやすや寝ていたので朝7時になり早番の人が来たときは心底安心しました。
自分より体格が大きい老人が倒れたとき一人で抱き起こすのが大変
一度あったのですが、おばあさんが寝ていてベットから落ちたんですよね。ドン!と音がして行ってみるとおばあさんが床に倒れてるわけです。
なぜ落ちたのかは忘れましたが、落ちた彼女を抱きかかえるのが至難の業でした!!
私は170cmあるしスポーツもしてたので重さがあっても大丈夫だと思ってたんですが、私と同じくらいか私より大きい身長のガタイがいいドイツ人のおばあさんを抱き起こせませんでした。
全部の力を私に託しているので重いったら重い!それでもベットに戻ってもらうことができて良かったです。
出勤する時間が夜なのでちょっと行くまでが怖かった
これは単に私が夜が怖いという話ですね。21時出勤なので20時にはもうその町に到着してぶらぶら時間をつぶすわけです。
その町は都会だったので人も多く、夜はとくに変な人がたくさんウロウロしていたので、怖いなと感じてました。
とくにフランクフルト中央駅で置き引きにあってからは、「またバックを取られるんじゃないか」「後ろからつけられてるんじゃないか」と疑心暗鬼になり、精神的に辛かったです。
次の日学校だと授業がキツイ
次の学校が無ければいいですが、夜勤明けからの大学は本当にきつかったです。ただでさえチンプンカンプンな法律や経済の授業をドイツ語で聞いてて眠くなるのに、さらに寝不足がプラスされればそりゃー寝ますよね。
なるべく次の日が学校じゃないようにシフトを入れましたが、それでもたまになってしまったときは授業を諦めてました。
この仕事を通して学んだこと
引っ越しの関係で私は半年間だけこの仕事をしたのですが、本当にやってよかったです。100%は分からなくてもドイツ語しか使わない職場で仕事ができるという自信は、経験してみないと得られないものだと思います。
自分が外国人だからと思わないで、ドイツ人と対等に間違ってもドンドンコミュニケーションを取る度胸をつけれた経験でした。
日本人がドイツで仕事をするというのは、難しいように見えてもアクションを起こせば得られるものかもしれません。どんどんチャレンジして、当たって砕けろ精神で頑張りましょう!
私も次男が幼稚園に行き出したら仕事できるように頑張ります!
コメント